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動物との共生フォーラム

Friends of Nature & Animals Forum

どうぶつ救援本部の寄付分配について

3月23日、朝日新聞に掲載された被災ペットへの
旧どうぶつ救援本部による寄付金配分の課題についての意見。

現場の元トップが「自己採点して30点以下」と述べられているように、、
原発事故という未曾有の大災害であり、
もともとマンパワーもなかったため、
対応が後手後手に回ったのは致し方ないと思います。
救援本部の方々は不眠不休の対応をされていたことでしょう。

ただ、発災直後は仕方なかったとしても、
その後の5年間で徐々に改善されたとしても、
スタッフを増員するなどして、
対応を迅速化するなどの措置はとれなかったのでしょうか。

寄付金の分配先に関しても不透明さは否めません。
27年度の現金の分配先に福島県の三団体が、
それぞれ一千万円超の寄付を受けていますが、
何か特別の理由があってのことでしょうか。
ペット災対協(旧どうぶつ救援本部)の収支報告に
交付理由は記載されていません。
交付された団体のHPにも収支報告が見当たらないようですが・・。
(ざっと目を通しただけなので、記載されているようでしたらご容赦を)

こうした分配の不透明さや遅延について、不満の声が多くあがり、
提訴にまで発展しました。寄付金の返還騒動まで起こり、
これもまた異例の事態といえました。

人々の不信感の背景には、「官」の集合体的なお役所的なスタンスと
日本動物愛護協会とペットのコジマなどのつながりも
あるのではないでしょうか。
(折しも、環境省では、動物取扱業の規制強化が議論されていました)

さらに大きいのは、救援本部と寄付をした人々との感情のギャップです

おそらく寄付をした人々は、飼い主とはぐれて放浪しているペットや、
野に放たれた猫たちの不妊去勢への対応なども願っていたはずですが、
それらは除外され、飼い主が判明しているペットが厚遇されました。

寄付をした人々の思いと、どうぶつ救援本部のズレは鮮明でした。

仮設住宅に飼い主と住むペットのトリミング代に
二千万円超が出費されています。
一説では、飼い主が新たにペットショップで
買ってきたペットも含まれるとのこと。
ネットを介したペットサーチにも出費しましたが、
役には立ちませんでした。
かたや、一銭の援助も受けず、被災地への給餌や
猫の不妊去勢を続けている
団体や個人がいるのです。

発災直後、しかし、私たちには、信頼のできる寄付先として、
どうぶつ救援本部しかありませんでした。

今後は、この教訓を活かして、平時に、出来るかぎりの手を打って
おくべきだと思います。
例えば、緊急時に動ける人材の事前登録やルートの構築など・・。
とくに、フットワークが良く、ITにも強い若い世代の協力は必要です。
スタッフの専門分野を活用すればよく、
動物分野である必要はありません。

福祉協会の山口氏がおっしゃるように、災害はいつどこで起きるか
予測がつかないので、各自治体が災害に備え、
地元の獣医師会や保護団体、市民ボランティアとの
日ごろの連携を深め、ペットの同行避難の周知や
避難場所を確保しておく、
そして、災害時には、いち早く寄付の受け皿となる窓口を立ち上げる
ことが重要です。
救援本部には迅速な後方支援を期待します。

一方で、寄付の使い道を明瞭に把握したい人は、少し待ってからでも、
被災地の自治体が設ける動物救護本部や保護団体に直接に寄付を
するという方法もあるわけです。

参考記事:日本における動物愛護活動
http://doubutsuforum.blog.fc2.com/blog-entry-99.html

(m)
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テーマ:動物保護 - ジャンル:福祉・ボランティア

  1. 2016/03/27(日) 15:14:00|
  2. 大震災 動物関連
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どうぶつ救援本部 寄付金の使い道(資料)

資料:寄付金の使い道 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ペット災対協(旧どうぶつ救援本部)のHPより転載。
https://doubutsukyuen.org/main/delivery


義援金交付先


活動支援金の支出状況(2015年12月31日現在
緊急災害時動物救援本部分を含む)


●活動支援金の支出総額 626,977,879円

寄付金をお寄せいただきました皆様に
改めて感謝いたしますとともに、
各団体におかれましては、
活動支援金を有効にご活用いただけますよう
お願い申し上げます。

●東日本大震災によって被災した飼い主
及びペットに関する救援事業への支出(H27) 総額 148,673,410円
1.仮設住宅等巡回ペットケア事業 20,995,200円


2.迷子ペット捜索事業
及び迷子ペット保護管理支援事業 85,852,210円



※参考 支援対象団体は次表のとおり
  (ペットフード等の現物支給)。

     
団体名

ペットフード等のポイント数(1ポイントが約1円弱に相当)

ホームページ  ※しばらくお待ちください


特定非営利活動法人 ワンワンパーティクラブ 1,650,000
NPO法人動物愛護団体ANGELS 7,080,000
J-Taz’s アニマルシェルター(旧UKC JAPAN) 9,130,000
一般社団法人NGO Life Investigation Agency 990,000
LYSTA~動物たちに光と再生を。 6,090,000
アニマルフレンズジャパン 11,430,000
一般社団法人動物救援隊にゃんだーガード 8,640,000
NPO法人 HEART 2,350,000
動物いのちの会いわて 820,000
3.11レスキュー日誌 6,960,000
おりたてネコものがたり 5,120,000
どうぶついのちの会せんだい 4,760,000
特定非営利活動法人 SORAアニマルシェルター 5,600,000
特定非営利活動法人 MICINO(ミチーノ) 1,620,000
一般社団法人 愛知・地域ねこ応援団 420,000
さいごまで家族の会 3,930,000
犬猫り・ほーむ支援の会 250,000
*1) 660,000
計 77,500,000


*1)660,000ポイントを支援した団体がありましたが、
 ご辞退されたため削除しました。


※送付文にも書いてございますが、
ポイントが不要または返却されたい場合には、
お手数をおかけして恐縮ですが、
本協会までご連絡をお願いします。



3.現地救援本部支援事業 総額 41,826,000円

※参考 支援対象団体は次表のとおり(いずれも福島県内)。


団体名

金額

ホームページ  ※しばらくお待ちください

NPO法人 SORA 17,112,000円
一般社団法人 動物救護隊にゃんだーガード 14,100,000円
LYSTA~動物たちに光と再生を。 10,614,000円



●東日本大震災によって被災した飼い主
及びペットに関する救援事業への支出(H26) 総額 54,417,547円

1.三春シェルター保護収容動物支援事業 41,000円


2.仮設住宅等巡回ペットケア事業 20,275,961円


3.帰還困難区域環境管理事業 500,000円


4.迷子ペット捜索事業
及び迷子ペット保護管理支援事業 31,600,586円

※参考 支援対象団体は次表のとおり(ペットフード等の現物支給)。


団体名

ペットフード等のポイント数(1ポイントが約1円弱に相当)

ホームページ  ※しばらくお待ちください


アニマルレスキューチーム Happy Road 1,000,000
いわき「犬猫を捨てない」会 5,400,000
埼玉SSB会 1,200,000
シェルティ・レスキュー(活動終了に伴いポイント返却) 600,000
新潟動物ネットワーク(NDN) 500,000
まめちびくらぶ 4,000,000
あら動物病院 300,000
高橋動物クリニック 300,000
にしが動物病院 700,000
立谷動物病院 200,000
(公社)山形県獣医師会 300,000
(公社)群馬県獣医師会 500,000
(公社)愛媛県獣医師会 600,000
(公財)動物臨床医学研究所 1,000,000
(公社)東京都獣医師会 900,000
(公社)岐阜県獣医師会開業部会 1,800,000
(公社)新潟県獣医師会 2,600,000
希望ヶ丘ペットクリニック 500,000
さとう動物病院 300,000
合計 22,700,000


5.現地救援本部支援事業 総額 2,000,000円


団体名

金額

ホームページ  ※しばらくお待ちください


仙台市被災動物救護対策本部 2,000,000円




● 現地動物救援本部に対する活動支援金支出(H25)
総額 18,000,000円


団体名

金額

ホームページ

いわき市動物救援本部 18,000,000円 ホームページ


義援金支出先の公開について


● 臨時追加による活動支援金支出 総額 6,000,000円


団体名

金額

ホームページ

いわき市動物救援本部 3,000,000円 ホームページ
仙台市被災動物救護対策本部 3,000,000円 ホームページ



● 第3期申請受付による活動支援金支出 総額 
  58,750,000円

■第3期申請受付による活動支援金支出


団体名

金額

ホームページ

一般社団法人 SORA 3,000,000円 ホームページ
特定非営利活動法人 ねこの代理人たち 1,500,000円
アニマルレスキューチーム Happy Road 1,500,000円 ホームページ
特定非営利活動法人 MICINO(ミチーノ) 1,500,000円 ホームページ
一般社団法人 UKC JAPAN 1,500,000円 ホームページ
ちーむ ぼんぼん 1,500,000円 ホームページ
特定非営利活動法人 日本動物介護センター 3,000,000円 ホームページ
おりたてネコものがたり 500,000円 ホームページ
特定非営利活動法人 ワンワンパーティクラブ 3,000,000円 ホームページ
日本捨猫防止会 東久留米 750,000円
NPO法人 ジャパン・キャット・ネットワーク 1,500,000円
社団法人 岩手県獣医師会 3,000,000円 ホームページ
東北地震犬猫レスキュー.com 500,000円 ホームページ
FCR Lovers 1,000,000円 ホームページ
地域猫を救う会 500,000円
NPO法人 動物愛護を考える茨城県民ネットワーク 3,000,000円 ホームページ
LYSTA~動物たちに光と再生を。 1,000,000円 ホームページ
アニマルライフサポート福島 1,500,000円 ホームページ
一般社団法人 愛知・地域ねこ応援団 1,500,000円 ホームページ
犬猫里親探しの会 バトンタッチ 1,500,000円 ホームページ
ミューズ わんこ村 500,000円
特定非営利活動法人 アニマルフレンズ新潟 1,000,000円 ホームページ
たんぽぽの里 1,500,000円 ホームページ
いわき「犬猫を捨てない」会 3,000,000円 ホームページ
埼玉SSB会 1,500,000円
緊急災害時動物支援ネットワーク熊本 1,500,000円 ホームページ
一般社団法人 RJAV 被災動物ネットワーク 1,000,000円 ホームページ
一般社団法人 アニマルエイド 1,000,000円 ホームページ
にゃんこはうす 3,000,000円 ホームページ
ニュータウン動物愛護会 3,000,000円 ホームページ
応用動物行動学会 3,000,000円 ホームページ
国際NGO LIA 1,000,000円 ホームページ
一般社団法人 日本動物支援協会 1,500,000円 ホームページ
動物ボランティアサークル「シロの家」 1,000,000円
国際セラピードッグ協会 1,500,000円 ホームページ
一般社団法人 にゃんだーガード 1,000,000円 ホームページ



● 臨時追加による活動支援金支出 総額 3,000,000円


団体名

金額

ホームページ

いわき市動物救援本部 3,000,000円 ホームページ



● 第2期申請受付による活動支援金支出 総額 266,840,000円

■申請区分A 行政が実施主体に参画


団体名

金額

ホームページ

仙台市被災動物救護対策本部 10,000,000円 ホームページ
宮城県緊急災害時被災動物救護本部 30,000,000円 ホームページ
福島県動物救護本部 27,660,000円 ホームページ
岩手県災害時動物救護本部 2,000,000円 ホームページ
福島県川内村 1,510,000円 ホームページ
福島県富岡町 3,260,000円 ホームページ
東日本大震災東京都動物救援本部 18,000,000円 ホームページ

■申請区分B 行政と連携して活動を行う団体


団体名

金額

ホームページ

一般社団法人UKC JAPAN 3,000,000円 ホームページ
社団法人 福島県獣医師会 9,000,000円 ホームページ
社団法人 宮城県獣医師会 3,000,000円 ホームページ
KDP 3,000,000円 ホームページ
埼玉SSB会 3,000,000円
伊東獣医師会 3,000,000円
NPO法人 ぶるーべりー愛犬ふぁみりー協会
(旧:小平愛犬友の会) 3,000,000円 ホームページ
社団法人 福島県獣医師会 8,000,000円 ホームページ
国際NGO LIA 2,000,000円 ホームページ
福島警戒区域内動物救援獣医師チーム 2,000,000円 ホームページ
被災保護動物リスト集をつくる会 1,000,000円 ホームページ
ペット輸送ゆりかご 1,500,000円 ホームページ
PAD&TAIL 1,500,000円 ホームページ
NPO法人 ねこの代理人たち 1,500,000円 ホームページ
走馬会 1,500,000円 ホームページ
にゃんだーガード 1,500,000円 ホームページ
日本動物生命尊重の会 1,500,000円 ホームページ
シェルティ・レスキュー 1,000,000円 ホームページ
東北被災動物病院ネットワーク 1,500,000円 ホームページ
いのちのネットワーク江東 1,000,000円
アニマルレスキューチーム Happy Road 1,000,000円 ホームページ
ALIVE ふくしま 1,500,000円 ホームページ
緊急災害時動物支援ネットワーク熊本 1,500,000円 ホームページ
一般社団法人 SORA(ソラ) 1,500,000円 ホームページ
いわき「犬猫を捨てない」会 1,500,000円 ホームページ
社団法人 岩手県獣医師会 1,500,000円 ホームページ
新潟動物ネットワーク(NDN) 500,000円 ホームページ
社団法人 仙台市獣医師会 1,500,000円 ホームページ
犬猫里親探しの会 バトンタッチ 1,500,000円 ホームページ
どうぶついのちの会せんだい 1,500,000円 ホームページ
NPO法人動物愛護団体ANGELS 1,500,000円 ホームページ

■申請区分C 本部構成団体と連携して活動を行う団体


団体名

金額

ホームページ

野生動物ボランティアセンター 1,500,000円
社団法人 静岡県獣医師会 500,000円 ホームページ
日本捨猫防止会 東久留米 1,500,000円 ホームページ
NPO法人 アニマルクラブ石巻 345,000円 ホームページ
NPO法人 環境エネルギー政策研究所 500,000円 ホームページ

■シェルター枠


団体名

金額

ホームページ

福島県動物救護本部 40,000,000円 ホームページ
NPO法人 犬猫みなしご救援隊 7,500,000円 ホームページ
どうぶついのちの会せんだい 7,500,000円 ホームページ
応用動物行動学会特命チーム 7,500,000円 ホームページ
NPO法人動物愛護団体ANGELS 7,500,000円 ホームページ
一般社団法人UKC JAPAN 7,500,000円 ホームページ
福島県川内村 4,365,000円 ホームページ
福島県富岡町 6,270,000円 ホームページ
NPO法人 ワンワンパーティクラブ 5,000,000円 ホームページ
BRAVE STABLE(ブレーヴ ステイブル) 7,500,000円 ホームページ
NPO法人 Japan Dog Standard 1,930,000円 ホームページ



● 特別枠による活動支援金支出 総額 20,000,000円


団体名

金額

ホームページ

福島県動物救護本部 20,000,000円 ホームページ



● 第1期申請受付による活動支援金支出 総額 51,065,500円

■申請区分A 行政が実施主体に参画


団体名

金額

ホームページ

宮城県緊急災害時被災動物救護本部 12,000,000円 ホームページ
福島県動物救護本部 6,000,000円 ホームページ
いわき市動物救援本部 6,000,000円 ホームページ
岩手県災害時動物救護本部 6,000,000円 ホームページ

■申請区分B 行政と連携して活動を行う団体


団体名

金額

ホームページ

NPO法人 日本動物介護センター 3,000,000円 ホームページ
PAD&TAIL 3,000,000円 ホームページ
NPO法人 犬猫みなしご救援隊 3,000,000円 ホームページ
社団法人 岩手県獣医師会 3,000,000円 ホームページ
ワン・ニャンを愛する会 565,500円 ホームページ
全国動物ネットワーク
(旧:動物ボランティア団体 全国民間ネットワーク) 3,000,000円 ホームページ
社団法人 東京都獣医師会 3,000,000円 ホームページ

■申請区分C 本部構成団体と連携して活動を行う団体


団体名

金額

ホームページ

ハートtoハート 1,500,000円 ホームページ
社団法人 栃木県獣医師会 1,000,000円 ホームページ

(転載以上)

テーマ:動物保護 - ジャンル:福祉・ボランティア

  1. 2016/03/24(木) 21:57:54|
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福島・警戒区域 立入禁止から3年 牛の涙

思い重ねて:東日本大震災3年 牛の涙、忘れない 
福島・楢葉で世話を続けた牧場主 激励の手紙「いつかお礼を」



(以下、毎日新聞 2014年04月28日 東京夕刊より転載)
http://mainichi.jp/shimen/news/20140428dde041040054000c.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「瀕死(ひんし)の牛に『ごめん』 最後の世話 1日分の餌」−−。


忘れられない取材がある。2011年4月21日、福島県楢葉町の蛭田(ひるた)牧場。

干し草を積むトラックが着くと130頭の牛が鳴き出し、我先にと餌を食べ始めた。

牛舎で栄養不足の子牛が息絶えようとしていた。「何もしてやれなくてごめんな」。

牧場主の蛭田博章さん(45)は涙を浮かべ、牛の背をなでた。

20140428dd0phj000143000p_size5.jpg
瀕死の子牛の背をなでる蛭田さん=福島県楢葉町で2011年4月21日


東京電力福島第1原発事故を受け、原発の半径20キロ圏内は

翌22日から立ち入り禁止の警戒区域になることが決まった。牧場は原発から19キロ。

事故以降、蛭田さんはいわき市の避難先から3日おきに餌やりへ通っていた。

「最後の世話」の見出しがついた記事は22日朝刊(東京本社発行紙面)に掲載された。


だが、それは「最後」にはならなかった。

蛭田さんはその後も抜け道を車で2時間走って牧場に通った。

「どうしても見殺しにはできない」。すぐ後に異変は起きた。


5月上旬、牧場へ着くと、牛50頭が牛舎から外に出ていた。誰かが牛舎の柵をこじ開けていた。

半分は牛舎に戻せたが、残り半分はぬかるみにはまって動けなくなり、助け出せずに死んだ。

その後、牧場に「牛を殺すな」との張り紙がされた。


自分が書いた記事のせいではないか−−。電話で蛭田さんから事情を聴き、申し訳ない気持ちになった。

    □

今年3月、蛭田さんと再会した。ずっと気になっていた牛の最期を聞かせてもらった。

3日おきの餌やりにもかかわらず、栄養不足や夏の熱中症で次第に数は減り、

11年末に10頭になった。

研究機関から、警戒区域の動物の残留放射線量を調べる検体にする提案を受けた。

「牛の命が世の中の役に立てるなら」と承諾した。


11年12月27日。穏やかな青空が広がっていた。

横たわってかすかな息をしている牛に注射をし、安楽死させる作業が粛々と進んだ。

最後の1頭は、4歳の雌牛だった。骨と皮だけで辛うじて立っている。

暴れないよう固定具を付ける際、元気な牛なら逃げ回る。だが、その時は向こうから近づいてきた。

蛭田さんが固定具を付けると、牛の大きな目から涙がこぼれた。


蛭田さんは今、楢葉町の農業復興組合で除染後の農地の保全活動に携わっている。

祖父(93)が創業した牧場は、震災前は県内有数の規模だったが、再開は見通せない。


蛭田さんは一時、自殺も考えた。だが「支えてくれているものがある」という。

あの記事が出た際、全国から激励の手紙が寄せられた。数人と今も文通を続け、

「お体に気をつけてください」などのささいな言葉にいつも励まされる。


「牛がつないでくれた縁。まだ会ったことのない方々ですが、いつか直接お礼を言いたいんです」

はにかむような笑顔だった。 【袴田貴行】

                      (転載おわり)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

2011年4月22日・・もう一つの忘れてはいけない日

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  1. 2014/04/29(火) 17:52:28|
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福島県・三春シェルターの現在( 2014年3月)

2014年3月29日。朝日新聞の折込み、Sippo Journalに

福島県・三春シェルターの状況や今後の課題が掲載されています。

Sippo Journal
今を知ろう、共に生きよう
一刻も早い家族との暮らしを


2011年3月の東日本大震災から3年。
シェルターに身を寄せる被災動物と彼らを支える人々を再び福島に訪ねた。

撮影/蜂巣文香 取材・文/sippo編集部
      ↓
http://www.asahi.com/ad/sippo/journal/p201403_01.html

(m)

テーマ:動物愛護 - ジャンル:ペット

  1. 2014/03/29(土) 21:57:44|
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原発事故から3年。福島・被災動物の記録

3月11日。あの日から3年。今日のGoogle検索サイトにそう記してあります。

あまりにも多くの人命が奪われ、家族を失い、友を失い、家を失い、仕事を失くし・・

復興は遠く、いまだに26万人もの方々が避難生活を送っています。

原発事故の収束も見えていません。

地震、津波、原発事故ではまた、多くの動物たちも被災しました。

とりわけ原発事故は、おびただしい悲惨な死をもたらしました。

当ブログでは通常、残酷な写真は掲載しません。

これが現実だ、見て欲しい、知って欲しいという気持ちもあるのですが、

一方で、それらを見た方々がショックを受け、

問題から永久に目をそむけてしまうということもあると思います。

被災動物の問題は過去形では語れません。

問題が風化しつつあると感じる今、あえて当時の記録を掲載いたします。

忘れないために。二度と繰り返さないために。

「20キロ圏内で起きていたこと」
http://a-c.sub.jp/fukushima.html
          ↑
NPO法人「アニマルクラブ石巻」さんによる写真と文章の記録です。
(写真が無断転載禁止となっていますのでリンクのみ貼らせていただきました)


あの時。私が最初に目にしたのは、被災地での不明犬を探す掲示板サイトにあった一つの投稿。

福島県双葉町で、原発事故から避難するため、高齢のお母さんが飼い犬の

柴犬を連れて集合場所の公民館へ行ったところ、

「犬はバスに乗せられない」と拒まれ、泣く泣く「この犬を保護して下さい」と

貼り紙をして公民館に残した、どなたか保護して下さい!という

離れて暮らす娘さんからの悲痛な訴えでした。

私も心配で、柴犬が無事に保護されたのか、毎日、掲示板を見ていましたが、

その後、保護活動を行っていたグループ(山路さんたちではないかと思います)から、

残念ながら、この犬は公民館で繋がれたまま餓死していた、との投稿がありました。

なぜあの時、誰かが一言「いいじゃないか、犬も乗せてやれよ」と言ってくれなかったのか・・

一生懸命に愛犬を連れて逃げて来たお母さんの気持ちを考えると本当にいたたまれませんでした。

そして、その後、保護団体から続々と、置き去りにされた畜産動物や

ペット餓死の報せがネットに載りました。


あれから3年。飯舘村などでは、いまだに犬や猫が家に残されており、

大雪の中、飼い主や、遠方からのボランティアが給餌に通う状況が続いています。

福島県や自治体は、ボランティアに任せきりで、取り残された犬猫を救護する方策を立てていません。

先日、発表された「どうぶつ救援本部」の今後の活動計画でも切り捨てられています。

これらの犬猫をシェルターに入れるのも、ストレスになり難しい問題ですが、

せめて大雪で給餌もままならない時季だけでも、保護できないでしょうか。

仮設住宅でペットと暮らせている飼い主には支援があり、

自宅に残されている犬猫や飼い主は支援できない、というのは道義的に問題があります。

警戒区域で繁殖している猫についても、不妊去勢のための義援金を

救援本部は新たに募ればいいのでは?

個人や民間のグループは信用できないという救援本部の官制的な立ち位置はあるでしょうが、

あれもだめ、これもだめ、義援金を行政に配分するのみという消極的なスタンスは

義援金を本部に送った人々の気持ちに沿うものではないと思います。

次に災害が起きたら、必ずまた、福島のような置き去り動物は出ます。

自分のペットは必ず自分で守ることです。

日本に信頼できる民間の、市民による動物救援組織が無いことが悔やまれます。

関連記事:

福島県が映し出す日本の「動物福祉」の現状
http://doubutsuforum.blog.fc2.com/blog-entry-365.html

(m)

テーマ:動物愛護 - ジャンル:ペット

  1. 2014/03/11(火) 15:45:50|
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