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動物との共生フォーラム

Friends of Nature & Animals Forum

【原発警戒区域 動物救援】「さくら」~伝えていきましょう、残された動物たちのこと~

昨年の大震災直後から、被災地で救護活動を開始した馬場獣医師。
先生のことは、1991年、湾岸戦争の際の水鳥救出をはじめ、
「野生動物ボランティアセンター」を立ち上げるなど、TVなどで、
ときどき報道されていました。

すでにお読みになった方もたくさんいらっしゃると思います。

馬場先生が出版された「さくら」~原発被災地に残された犬たち~
(馬場国敏・作 江頭路子・絵  金の星社)

sakura.jpg

まだ多くの動物が原発警戒区域に残されている今、
「伝えていきましょう」というのは早すぎるかもしれませんが、
残された動物たちの命を救うためにも、伝えていくことが必要だと思います。

(著者あとがきより)
「物語が、悲しみを一層深めることになるのではと心配もしています。
しかし、この悲しみを解決するには、真実と現実を、社会と政府に理解してもらい、
放浪して苦しんでいる被災犬や被災動物を、一匹残らず救出することだと思い、
この本を出版することを決めました」

さくらという柴犬と、飼い主のひとみちゃんをめぐるストーリー。
フィクションですが、馬場先生の原発被災地での体験をもとにしています。
悲しい物語ですが、トラウマになるような話ではなく、
むしろ、胸の奥深くにしみこんで来るような感動をおぼえます。
子供も大人も読めます。
児童文学としても、優れた作品だと思います。

ぜひ読んでみてください。

お子さんに読んであげてください。
一緒に考えてみませんか?
なぜこのような悲劇が今の日本で起きたのか・・
人と、ペットといわれる動物の関わりについても・・

ぜひお友達に、ご家族にも、すすめてください。

図書館に置いてもらえるようリクエストしてください。

読み聞かせの会で読んでもらってください。

ひとみちゃんとさくらに起きた事が、またいつかどこかで、起きることがないように・・

(この本の印税は全額、動物救護活動にあてられるそうです)

(m)

テーマ:動物愛護 - ジャンル:ペット

  1. 2012/02/21(火) 23:00:46|
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Book Review 「フランス流 節電の暮らし」 デュラン・れい子著

長年、ヨーロッパにお住まいのデュラン・れい子さんが書かれた
「フランス流 節電の暮らし」を読みました。

見出しを一部ご紹介しますね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*階段の電気は一階ごとに点き、消えていく

*フランス人が考える間接照明とは・・

*野菜は煮る前にスープにつけておく

*フランス流、スカスカ冷蔵庫の秘密

*シワになった衣類は、残り湯をスチームがわりに

*フランスの家電にはほとんどない、予約タイマー

*コンビニが一軒もないフランス

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
興味深く読ませていただきましたが、すでに日本で行われていることもあり、
あまり日本にはいらっしゃらないせいか、情報不足の一面も感じました。

日本で、節電に無頓着なのは、団塊の世代から下の中年。
高齢者の世代は習慣として、もったいないことを避けるし、
若い世代も、キャンドルライトなど、けっこう工夫しているようです。

間接照明は確かに優雅ですが、私が数年間サンフランシスコに住んでいた時、
家族がつどう食卓は、天井からの灯りだったと思います。
居間は、スタンドやランプの間接照明でしたが、これで視力を落としたように感じます。
日本人には、暗い・・
私見ですが、白人(とくに青い眼)は、明るさに弱い傾向があるような・・
外出時はサングラス必携です。

私たち日本人は、子どものころから、本を読むときは明るいところで、とか、
テレビを見るなら部屋を明るくして、と言われてきました。

日本では、昔は囲炉裏、そして、ちゃぶ台と、家族が集まる「団欒」を
暮らしの中心としてきたので、家族みんなを照らす灯りを欲したのかもしれません。

欧米の居間にはソファがあって、家族はばらばらに座り、
それぞれにしたい事をするので、手元の灯りが必要・・

「個」の暮らしと、「集団」の暮らしが、照明の違いにも関係しているのではないでしょうか。

日本で最初の灯りがともったのは、まだ百数十年前のこと・・
「明るいこと」=文明開化のイメージが日本人の頭の片隅には残っているのかもしれません。
加えて、日本人ほど、「南向き」や「日なた」を好む国民もいないでしょう。

日本には「コンビニ」や「自動販売機」が多すぎると、
著者は述べていますが、私も同感。節電という意味からも・・。

ただ、これは裏を返せば、日本が諸外国に比べて安全ということです。
アメリカの街中に自販機を置いたら、一晩で壊されて金銭を盗まれるだろうし、
セブンイレブンも、11時を過ぎて営業したら強盗に狙われるでしょう。
(日本でも、コンビニは危ないですね)

日本のように若い女性が深夜にひとりで歩けるような外国の街は少ないし、
車を使うのが一般的です。
終電から女性がたくさん降りてくる日本では、深夜営業の店も、自販機も
それなりに便利ではあるのです。

著者が書かれているように、節電は「暮らし方」と一体なので、
そこを見直さないと、一過性になってしまいます。

先夜、集まりがあって、渋谷の道玄坂を歩きましたが、
大震災の節電モードはどこへやら、
ギラギラした照明と大音響の音楽や呼び込みで、うるさいこと・・!

それにしても、フランス人の3週間のバカンスはうらやましい・・!



(m)

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2011/11/11(金) 16:25:01|
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「表裏井上ひさし協奏曲」西舘好子著 ~妻の修羅、作家の孤独~

読書の秋、というには、まだ暑すぎる今日このごろ・・

西舘好子著 「表裏井上ひさし協奏曲」 (牧野出版)

作家・井上ひさしの家庭内暴力(DV)のすさまじさ。

ガンに侵され、死の床にあっても、娘二人との面会を拒絶。
二人は、葬儀に参列することも、かなわなかった・・

前妻の著者が、「井上さん」と記しているのは、
歳月のなせる距離感か、醒めた感情から生じる客観なのか・・
作家であり、かつて夫であった人への感慨は感じとれるが、
郷愁や思慕といった情愛は、あまり漂っていない。
それは、著者が、生粋の江戸っ子である潔さによるのかもしれない。

井上ひさしは東北、山形の出身。西舘さんは、浅草橋かもじ職人の一家に育った。
生まれも、育った環境も、もって生まれた感性も、まるで異なる。
その違いは、作家にとっては大きな魅力であり、憧れでもあり、二人をあっという間に
結びつけたきっかけとなったが、
夫婦関係に齟齬が生じてくると、対立、ひいては、破綻の決定的な要因となったようだ。

肉親の愛に恵まれず、孤児院で子供時代を送った井上氏は、
温かい家族の団欒にあこがれ、西舘さんの家族を題材にして、
いくつもの作品を書いている。
しかし、同時に、彼らの団欒を妬み、憎みさえして、
その輪に自らが加わることはなかったという。

およそ作家というものは、天性わがままな子供であり、
見守り、あやし、なだめてくれる母性を身近にもとめる。

おそらく夫婦の亀裂は、西舘さんが「こまつ座」のプロデユーサーとして、
井上氏の配下から脱け出し、自身の人生をイキイキと歩みだし、
座付き作家でもある井上氏が、ひとり置き去りにされたような孤独感を
抱いたことに始まるのではないだろうか。

年下の舞台監督との不倫は大々的に報じられ、
出版社は作家の名声を守ろうと躍起になり、、
西舘さんはバッシングを受けた。
当初、この恋愛を、夫に相談していたのだという。
井上氏は、表向きには、穏やかな対応をしていたようだが、
ある日、一転して、凄絶な暴力が始まる・・
この時点で、この夫婦に恋愛感情が残っていたのかは分からない。
おそらく、同志、仲間という絆ではなかったか・・。

井上氏の嫉妬と屈辱は、彼のプライドからくるものだ。
妻が、年下の、自分の才能にはほど遠い
と見下している男に恋したことにある、と思う。

夫婦は別れた。
夫婦の愛憎は、夫婦にしか分からないというが、
この本を読んでも、井上・西舘夫婦の心髄は茫漠としている。

あとがきに代えて、長女の都さんが、10ページほどのエッセーを
書いているが、父親への思いが切々とつづられていて、胸を打たれる。
長女は、母(西舘さん)は、自分が幼い頃から「不安な人」だったと書いている。
父ではなく、母。
痴漢を自ら捕らえようとして殴られたり、幼なじみが逆恨みし、
「皆殺しにしてやる」と攻撃されそうになったり、
手首切り、睡眠薬の飲みすぎ・・
西舘さんも、ただならぬ女房であり、母親であったようだ。

ところで、井上ひさしは、「異常なほどの猫好き」だった。
娘たちも野良猫をかわいがり、庭には、何匹もの猫や、飼い犬、野良犬が
住みついていたらしい。

井上氏の再婚相手(井上氏の母は共産党の支部長)は、
共産党の大物議員の娘。
むしろ、こちらの家族の方が水が合ったのかもしれない。
その奥さんの姉は、ガンで急逝された米原万理さん(作家)という才女である。
米原さんは、かつて、ロシア語通訳の大御所でもあり、
家人とも知己で、毎年、年賀状をいただいていたが、
米原さんも、大の猫、犬好き。
年賀状にも動物のことが書いてあったのを憶えている。



(m)

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

  1. 2011/09/17(土) 22:30:44|
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