北海道)利尻島のヒグマ、道が捕獲許可 逼迫時に備え2018年6月23日
https://www.asahi.com/articles/ASL6Q4G6ZL6QIIPE012.html106年ぶりに利尻島へ渡ったヒグマの捕殺を道庁が許可した。
逼迫時に備えての措置とのことだが、
本島より猟師を呼び、箱罠を設置するということだから、
26日の対策会議では、恐らく直ちに駆除へと動く可能性が強い。
2015年に起きた三重県のクマ騒動の時もそうだったが、
クマを見たことも、出没の話も聞いたことがないような、
クマへの「免疫ゼロ」の住民がパニックに陥りやすい。
この時も、今回も、いたずらに住民の恐怖心を煽るのは
マスコミ、とくにテレビの興味本位な報道である。百年ぶりに利尻島にクマが現れたことや、マラソン大会に
参加する人たちの不安を大袈裟に報道する。
画面を見ていて、開けた平地のマラソン開催地や人々の
喧騒の中に、わざわざクマが現れるはずもないのにと呆れた。
クマが棲まない土地の人間が「駆除反対」の声をあげると、
クマの怖さを知らない「お花畑」の人間の意見だと
批判される。
実際、「クマなどいない方が良い。すべて駆除しろ」という
意見を持つ人も多い。
むろん、人家に迫ったりして、人身に危険が及ぶような場合には
駆除せざるをえない。
しかし、利尻島にいるヒグマはたった一頭。大きな山も山林もあり、
自然に恵まれた土地である。
クマは人間に出会わないよう、ひっそりと移動しており、今までに
このクマを肉眼で見たという情報も寄せられていない。
フンからは野生の植物のみが検出されており、メスがいないと
分かって本島へと戻る可能性もある。人を避けている無害グマまで、”居る”というだけで即殺すという発想では、
人の側の工夫は皆無で、「共存」はありえない。
北海道はクマのベテラン研究者も多い土地柄である。
利尻島を視察した研究者も、「状況から、今すぐ捕獲の必要はない」と
明言している。
100年ぶりに上陸したクマを駆除するのか、あるいは、麻酔をかけて、本島の
山に放獣するのか。
将来、長く語り継がれるのは、駆除ではなく、生かす知恵を絞ったことの方だろう。
共存の道しるべとして、ぜひ生かす道を選んでいただきたい。
それが出来る人材も技術もある北海道なのだから。
なお当方、クマの活動が活発な6月から9月は、信州の森で暮らしている。
自宅の庭でクマの親子との遭遇もあり、足跡は幾度も見ており、
クマが近くに複数頭いた年もあった。
今では町がクマの保護管理に努め、住民もクマを寄せ付けない努力をし、
安心感は増大した。
クマと遭遇して以来、このような大型哺乳類が、日本の開発しつくされた
人工林の中に残る広葉樹の森で暮らしているのは、なんと苦労を伴うこと
かと痛感し、クマとの共存を訴えている。
クマにとって、生きていくのに圧倒的に不利な状況下で、共存するには人の側の
自然と野生動物への理解と知恵が必要だと強く思う。
(m)
#利尻島 #ヒグマ #捕獲許可 #生かす #共存
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- 2018/06/23(土) 18:30:50|
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利尻島 無人カメラにクマの映像6月19日
NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180619/0000876.html北海道稚内市から利尻島に泳いで渡ったとみられるヒグマが
島内の林道で固定カメラにより撮影されました。
今の時期はヒグマの繁殖期。
ヒグマはオスの成獣で、メスを求めて海を渡ったようですが、
メスがいないことが分かれば本島に戻る可能性もあるとのこと。
今のところ、林内で人との接触を避けるように動いており、
島民の生命や生活、観光に影響を及ぼすような
問題行動は見られていません。利尻の住民はクマとの遭遇体験がありません。
マスコミが騒いで、島民の不安を煽るようなことが無いように。
島民の方々は、クマ情報を確認され、
クマ鈴など音の出る物を身に着けたり、
戸外に食物や飲み物、ペットフードなどを置かぬようにしつつ、
冷静に対処していただければ幸いです。
屋外に干したヒモノなどもクマを呼び寄せる危険性があります。人の生活圏に入れてしまえば遭遇の危険性も高まり、
駆除されかねません。
ぜひ無害のクマを殺さないよう、クマとの共存に向けて
人の側も注意を払い、クマを生かすよう、切にお願いいたします。(m)
#利尻島 #ヒグマ #撮影 #共存
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- 2018/06/20(水) 18:48:44|
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日本クマネットワーク主催の
シンポジウムが開催されます。

(以下、HPより転載)
「四国のクマ・絶滅へのカウントダウンを止めるために」 四国に残存するツキノワグマ集団は,本州の状況と異なり,
極めて危機的な状況にあることが分かっています。
このままでは,九州に続き四国からもクマが姿を消す日は
遠くないことが懸念されます。
JBNではそのより詳細な実態把握のための調査を,
四国自然史科学研究センターおよびNACSーJと協働で開始しました。
一方で,四国のクマを絶滅させずに回復させるための具体的方策
についても,並行して検討していくことが緊急の課題としてあげられます。
このシンポジウムでは,同様に絶滅のおそれのある個体群を抱える,
韓国および台湾での保全のための国家的取り組みを紹介しながら,
今後の四国の保全の方向性について議論いたします。
開催日時:2018年5月27日(日)10:00-17:00 参加費無料開催場所:東京農業大学アカデミアセンターB1F 横井講堂
(世田谷キャンパス)
主催:日本クマネットワーク(JBN)
共催: 認定特定非営利活動法人四国自然史科学研究センター、
公益財団法人日本自然保護協会(NACS-J)
東京農業大学
後援(予定含む):高知市立わんぱーくこうちアニマルランド,
(公財)愛媛県動物園協会
とくしま動物園北島建設の森,高知県のいち動物公園協会,
四国森林管理局
環境省中国四国地方環境事務所,高知県,徳島県,日本哺乳類学会
日本野生動物医学会
当日のプログラム(10:00 開始)開会あいさつ
大井徹(JBN代表)
はじめに
四国のクマの置かれている現状
(四国自然史科学研究センター山田孝樹)
第一部保全のための具体的な取り組み10:30~12:10
1. 韓国の絶滅危惧種であるツキノワグマのための保全の取り組み
“Conservation efforts for endangered Asiatic black bears in South Korea“
(逐次通訳)
(韓国国立公園公団Jeong Dong-Hyuk)
2. 生息環境の質の向上としての給餌を考える
(東京農業大学山﨑晃司)
3. 生息域外保全と補強による四国のツキノワグマの保全は可能か?
(国立環境研究所大沼学)
(休憩12:10~13:10)
第二部保全のための地域との合意形成13:10~15:30
1. 四国のツキノワグマ保全にむけたJBNの取り組み―不安や負担だけを押しつけないために―
(酪農学園大学佐藤喜和)
2. 絶滅危惧種タイワングマ保全のためのアウトリーチおよび教育プログラム
“Outreach and education programs for conserving endangered Taiwan Black
Bears”(逐次通訳)
(台湾国立屏東科技大学Hwang Mei-Hsiu)
3. コウノトリの野生復帰と地域社会
(兵庫県立大学山室敦嗣)
4. 四国での地域への普及啓発の方向性
(NPO birth 亀山明子)
第三部総合討論15:40~17:00
これから四国で検討されるべき保全のアクション
(コーディネーター大井徹・JBN代表)
(17:00 終了)
※このシンポジウムは、独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の
助成を受けて開催します。
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#日本クマネットワーク #四国 # ツキノワグマ #絶滅 #シンポジウム
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- 2018/05/16(水) 21:39:10|
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<天神丸風力発電事業>がもたらす
四国のツキノワグマ生息地の自然破壊。四国のツキノワグマの生息数は現在、十数頭ほどと推測され、
絶滅の危機に瀕しています。
日本クマネットワークが
生態調査と保全活動に乗り出していますが、
この度、ツキノワグマの生息地に風力発電の
事業計画があることが判明しました。
<天神丸風力発電事業>クマが棲む四国剣山系の森林は、歴史的に
人間活動の影響を強く受け、
標高1000〜1300mまでの大半は針葉樹人工林となっており、
ツキノワグマのエサとなる堅果を育む落葉広葉樹林は
それ以上の標高の稜線に僅かに残されているに過ぎません。
今回の風力発電の建設はまさにその生息地に計画され、
ツキノワグマにとって生命線となる自然環境を破壊することになります。
天神丸風力発電事業計画の中止を求めて、
日本クマネットワークが以下の意見書を提出しました。
意見書四国のツキノワグマを絶滅に追いやりかねない
風力発電の建設計画撤回を強く求めたいと思います。
(m)
#天神丸風力発電事業 #四国 #ツキノワグマ #絶滅の危機 #日本クマネットワーク
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- 2018/04/25(水) 22:14:48|
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秋田のクマ、推定生息数の6割捕殺
「前代未聞」懸念もhttps://digital.asahi.com/articles/ASKDP5R4PKDPUBUB010.html秋田県でのツキノワグマの捕殺が12月までに
なんと、
817頭に上っています。
前年度の捕殺は500頭ちかくでしたが、さらに大幅増。
レッドリストの危急種です。
昨年10月までの暫定値で、他県の捕殺数は多くても
100~200頭台なので、秋田県の捕殺数は突出しています。
これはもう明らかに、県民がクマパニックに陥っている証です。
一昨年の鹿角の人食いグマ事件の影響でしょう。
「クマに食べられる」「クマは人を殺す」→クマがいたら殺せ、
になってしまっています。
ちなみに、昨年のクマによる死者は1名でした。
これは遭遇事故で、クマが故意に人を襲ったのではありません。
日本ツキノワグマ研究所が「スーパーK」などと名づけ、
ことさら人々の恐怖心を煽ったせいもあると思います。
※同研究所によれば、未だ食害に加わったクマは残存して
いるとのことですが、これはあくまでも山中です。
捕殺数の多さから察するに、秋田県は本気でクマの
県内絶滅をめざしているとしか考えられません。
9年ぶりに冬季の猟まで解禁!
穴の中で冬眠もさせない。捕殺しやすい。
コグマもいることでしょう。
県民の恐怖心が収まるまでに、秋田県のツキノワグマは
いなくなるかもしれませんね。
けれど、長野県軽井沢町のように、夏場、町のあちこちに
出没しても、放獣やパトロールやゴミ出しの注意の徹底などで
事故を防いでいる自治体もあるのですから、
秋田県も、農地や人里にクマが近づかない対策などを積極的に
とれないのでしょうか。
やみくもに無害クマまで殺さず、
生息数などは、科学的なデータを採って検証してください。あとはクマのテリトリーである山に入らないことですね、
と説得しても、人々はタケノコ採りに行ってしまうそうですが、
クマにも生存できる場所を残してやって欲しいです。
堅果類が不作で、山にエサが無く、空腹で人里に下りて
来ているのでしょうか。
(m)
追記:2018/1/9
岩手県からの情報です。ご参考までに。
「毎年クマによる人身事故が
毎年10件前後発生している岩手県では、
平成29年度は人身事故が16件17名起きています。
ただし、クマの捕殺数は272頭。
(2017年10月までの暫定値:環境省)。
幸い死亡事故は起きていませんが、
昨年はクマの出没が多かったにも関わらず、
岩手県民はパニックを起こさず、
行政や猟友会も冷静に対応していた
というのが私の感想です。
岩手県は(堅果類の豊凶調査に基づいて)
クマの出没予想を立て、
様々な媒体を使ってのクマ情報や注意喚起を
県民に行っています。
岩手県のクマの保護管理の取組の歴史と実績、
県民性や猟友会やNGOの取組、マスコミの報道姿勢などが、
秋田県と岩手県では異なる結果になったと思います」
★「地域猫」の記事はまだ続きます。
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- 2018/01/08(月) 22:36:02|
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