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杉並どうぶつ相談員ダイアリー「地域猫・フクが遺してくれたもの」

地域猫のフクが世を去って、1年と2ヶ月が経とうとしています。
昨年、「雨聴庵だより」に載せた記事を転載いたします。

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CIMG0161_convert_20110309003300.jpg

地域猫のフクが、1月10日、旅立ちました。推定18才。
師走のある日、普段は入ろうとしなかった我が家に入って来ると、
まるで勝手知ったる家のように、のろのろと階段を降り、
まっすぐにホットカーペットを敷いた和室へ向かい、
そこでたまたま休んでいた家人に頭を垂れ、姿勢を正しました。
「もう十分に生きましたんで、よろしく……」。

フクは昨年の春頃から衰えが目立つようになっていましたが、
前日から食べられなくなったので、私もフクの状態を悟り、すぐに専用の寝床を作りました。
フクは寝床に横たわっていましたが、その様子は、とても自然で、悠然として、
食を断ったわけではなく、最後まで、何とか食べようとしていました。

フクは日ごとに衰弱し、ほとんど立ち上がれなくなりました。
10日ほど経った夜、呼吸が荒くなったので、口を水で湿らせながら、一晩つきそいました。
朝になって、容態も安定しているようだったので、仮眠をとることにしました。
昼前に目をさまし、家人に様子を見にいってもらったところ、
「顔を上げて、こっちを見た」とのことだったので、
すこし安心し、小一時間後に見にいくと、すでにこときれていました。
なんて、あっけない…
顔を上げて、家人に別れを告げたのでしょうか…
看病していた私にではなく?……フクらしい。
家の周りにいるノラの不妊をしようと捕獲器をかけると、
いつでもフクが入ってしまい、
あわてるでもなく、ぼわ~っと座ってましたっけ。
いつも、ご近所住人の路上の井戸端会議には、いつのまにか参加していました。

フクが旅立った日、近所の方々がお別れに見え、お香典や花束を戴きました。
フクの姿が見えないことを心配している人たちのため、すぐに「お知らせ」が貼り出されました。
それから毎日、小学生も、高校生も、大人も、お年寄りも、貼り紙の前に立ち止まり、眺めて行きました。
ある日、通りかかった若い女性から聞きました。
その人は、フクの写真を撮って職場に貼り、励みにしていたのだそうです。
100111_1612~01

フクは毎日、よろよろと歩き、路傍にぼんやり佇んでいたり、
時には路のド真ん中に寝ていて、宅配便の運転手を困らせ、
通りすがりの人々を心配させました。けれど、フクとしては、
太陽に合わせて移動し、日光浴をしていたに過ぎません。
寒い日でも、フクの体を触ると、思いがけず温かでした。

フクがいなくなり、私の頭に浮かぶのは、路傍に居るフクの姿です。
毎日毎日、同じことの繰り返し。私たち皆に、それぞれの時間があって、
自分に与えられた時間を生き通すということ……。命を全うするということ……。

ある日、保育園帰りの少女が、いつものようにフクを見つけると、
母親の手を放して駆け寄りました。
少女は薄汚れたフクの体をそっとなでながら、言いました。
「お母さん、来て来て!気持ちいい~!」         
CIMG0162_convert_20110309003542.jpg
        
さよなら、フクちゃん。

(m)
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