今年の2月ごろ、書店の店頭に山積みになっているのを見かけ、
図書館にアクセスしたところ、すでに100人を超える予約が入っており、
今ごろになってようやく読了。
「震える牛」という本のタイトルを見ただけで、話の中身が分かる方もいるそうですが、
私はぜんぜん気がつきませんでした・・というか、まったく忘れていました。
久しぶりに手にとった社会派ミステリー。
文章はゴツゴツとしていて読みにくく、人物描写も深みに欠けます。
著者は推理作家ではないためか、ミステリーとしてもいくつか瑕が見受けられます。
「モツ煮」「獣医師」「ミートステーション」といったキーワードから、
殺害された被害者二人の関連性は容易に推測できますが、ベテラン刑事は気づかない。
犯人にしてもストレートすぎる・・
しかし、著者の願うところは、おそらくミステリーという手法をとって、
現代の「食の問題」を浮き彫りにする点にあったのではないでしょうか。
モデルは、2007年に起きた「ミート・ホープ」による牛肉偽装事件。
デパートの衰退も、シャッター商店街の増加も新しい現象ではありませんが、
本書の巧いところは、実在する企業を彷彿とさせ、いかにも臨場感あるノンフィクションの
ように仕立てたこと。
「ミート・ホープ」の事件が起きた当時、私たちは、
悪徳企業による特殊な事件という捉え方をしなかったでしょうか・・
現在のデフレ下、商品の低価格競争に拍車がかかり、「ミート・ホープ」の事件が特殊なものではなく、
日常茶飯事に起きているとしたら・・
ガソリン価格の高騰をきっかけに、客足が落ちだした巨大SCは今後、
かつてのボーリング場のような廃墟と化すのでしょうか?
アウトレットでさえ、人気にかげりが見えてきてはいないでしょうか。
(以前に比べ、商品の質が粗悪になっていませんか?)
「厳選・手こね100%ビーフハンバーグ」の中身は、老廃牛のクズ肉と大量の食品添加物。
安価なステーキは様々なクズ肉を食品用接着剤で合わせたもの。
注文すれば、サッと出て来る居酒屋チェーンのツマミ。
複数の食品添加物を混ぜ合わせた際の人体への毒性は不明・・
(文中より)「半額セールをやると飛びつき、列を作るようなバカがたくさんいる。
こんな連中に味なんか分かるわけがない!」
この本を読んだら、コンビニやスーパーの加工食品には手が出せなくなりますね・・
最後には意外なドンデンも用意されています。
それにしても、本の帯にある平成版「砂の器」は誇大広告です。
何を言わんとするかは推測できますが、
オックスマート父子の出自や境遇はまったく描かれておりません。
参考:「ミート・ホープ事件」 社員は北海道新聞とNHKに内部告発をしましたが黙殺されました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%97(m)
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テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
- 2012/08/16(木) 14:51:17|
- Book Review
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| コメント:2
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- 2012/08/18(土) 15:49:13 |
- リサ #7q0KdVu2
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> リサさま
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- URL |
- 2012/08/18(土) 22:56:36 |
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