【秋田八幡平クマ牧場】コンクリートのクマ牧場で「動物愛護フェスティバル?」

県、阿仁熊牧場へ来月中にもツキノワ6頭移送
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20120921-OYT8T01544.htm

(2012年9月22日 以下、読売新聞より転載)下線は当ブログ
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ヒグマに襲われて女性従業員2人が死亡した秋田八幡平クマ牧場(廃業)に残るクマ27頭について、

県は21日、10月中にもツキノワグマ全6頭を北秋田市の阿仁熊牧場へ移送し、

ヒグマ21頭も来夏をめどに同牧場に移す計画を明らかにした。

クマの受け入れに必要な同牧場の改修は、12月中に設計を終え、

年明けに総工費を算定した上で、来年4月から工事を始める予定という。


県が譲渡先を探していたクマ27頭について、北秋田市の津谷永光市長は8月24日、

「阿仁熊牧場での全頭受け入れを検討したい」と県に連絡。

今月6日からは受け入れ時期や移送方法などを両者で協議していた。

県生活環境部によると、ツキノワグマ6頭は、阿仁熊牧場の現状のクマ舎で飼育できる。

同部の佐々木弘次長は、八幡平クマ牧場のツキノワグマの飼育舎を空けることで

「通路などの除雪箇所が減り、厳冬期に働く職員の負担が相当軽減できる」と、

降雪前の移送を目指す理由を説明した。


現状の阿仁熊牧場でヒグマを受け入れるには、飼育スペースが不足しており、

大規模な施設改修が必要とされる。

佐々木次長は改修に関し、「12月議会に予算を上げ、年末までに詳細な設計図を作る。

2月議会の補正か、来年度当初に事業費を予算計上し、雪解け後の4月始めに着工できれば」と見通しを示した。


総工費は未定だが、引き渡しの時期について、佐々木次長は

「来夏がめどだが、できるだけ早期に行いたい。移送が遅れれば、

1か月ごとに100万円ずつ人件費がかさむ。最速なら来年7月頃になる」と述べた。


また、県は森吉山や打当温泉など観光資源がそろう北秋田市の森吉・阿仁地区の観光政策の中心に、

クマ移送後の阿仁熊牧場を位置づける方針を打ち出している。



阿仁熊牧場の年間入場者は約1万5000人。

今後、秋田内陸縦貫鉄道と連携した旅行商品の開発や、

毎年秋田市で行われる「動物愛護フェスティバル」の同牧場での開催を目指すという。



佐々木次長は「全県約8500人の小学5年生の校外学習を阿仁で行う構想もある。

クマが救われた経緯を知れば、子供が『命の意味』を考えるきっかけになるし、


増収分はそのまま運営費にもなる」と述べた。

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秋田県は、12月中に阿仁クマ牧場の改修に向けて設計を終えるとのことですが、
現在、阿仁では、75頭のツキノワグマとヒグマ1頭を、たった2人の素人の飼育員が世話しています。
阿仁のヒグマは1頭だけ。ヒグマの飼養はまったく経験不足。
経営状態から見ても、クマを減らしていかなければならないのに、
コンクリートの囲いを増やすだけの改修なら、クマの福祉は確保されません。

どうも秋田県の考えは、「薬殺はイメージが悪いので、阿仁へ移送し、最低限の改修で済まそう」
ということでは・・。

県費をクマに使うことへの県民の反発を抑えるため、
北秋田市の地域振興に役立てたいようですが、
森吉山や打当温泉は、県外では知っている人も少なく、
阿仁クマ牧場を観光の目玉に、という計画には無理があります。

中途半端な改修では、経営のさらなる悪化を招くだけです。

クマ牧場の設計と飼養管理には、クマの専門家が絶対に必要です。

改修費には、月内に設立される支援団体による基金と、県外の動物保護団体が募っている寄付が
充てられるとのことですが、
寄付をする人たちは、コンクリートのクマ牧場に寄付するのでしょうか?
ただクマが生きていれば、それでいいのでしょうか?

以前、阿仁クマ牧場は、クマの生態になるべく合わせたサンクチュアリ構想を計画しましたが、
建設に数億の費用がかかると、国から却下されました。

今さら、観光目的のクマ牧場の発想は古すぎます。

しかも、そこで「動物愛護フェスティバル」を開催したり、
校外学習の場として、子供たちに、エサをねだるクマたちの不自然な姿を見せ、
「命の意味」を考えるきっかけにするなど言語道断の話。

どのようなプランが出来上がって来るのか、注目しています。

(m)
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クマの立場にたった提言をしたい

 タマさん、これが、クマの立場にたつ支援策とは思えません。

 25年もの間、人間のために苦しめられ、たくさんのクマが死に、長年お世話していた女性たちも亡くなった、その教訓を生かす道を、提言してゆきたいです。

Re: クマの立場にたった提言をしたい

じゅん様

北秋田の地域振興を考えるなら、なおさら中途半端な改修は意味が無いように思えます。

行政にアイディアが無いなら、いっそのこと、星野リゾートなど民間+クマの専門家にプランを
お願いした方がいいのかも?
星野リゾート軽井沢のNPO「ピッキオ」は町から委託されてツキノワグマの保護管理を
行っています。軽井沢の自然を活かした様々なネイチャーツアーも実施しています。

北秋田はマタギ発祥の地とも言われ、自然、民俗学、野生動物をリンクさせないと、
もったいない気がします。

以前のサンクチュアリ構想の復活も望まれます。

No title

サンクチュアリ構想で数億かかるのは最初からわかっていたことで
現実問題として北秋田市ではきびしいでしょうね。こちら在住の友人に
先月に電話でこの件で話した時は、かわいそうだが薬殺してでも大切な自治体の経費を地域福祉などに使うべきと話していました。熊の命も大切だが、それ以上に切迫している地域のことはどう考えているのかと言う疑問の声も友人の近辺では上がっているようです。
加森観光のサホロベアマウンテンのような広大な土地を確保して、利益の上がる運営となればなおさら厳しいのではと思ってしまう。

No title

 タマさん、星野リゾートは、青森県の温泉施設を2つばかり買い取ったり、経営したりしています。その中のひとつは、わたしが好きな岡本太郎、最後の作品が遺るホテルです。

 星野リゾートがしでかしたことに、竹富島の人たちが、京都の人たちが、こんなふうに感じていることを知りました。

 http://taketomijima.org/

 http://kanke.cocolog-nifty.com/taketomi/2011/12/post-722c.html


 長年、登別クマ牧場で、クマの生態展示を実現しようと、クマたちに愛情をかけてくださった前田菜穂子さんが、「モーリー」のバックナンバーで、クマの生態展示の難しさを述べてくれています。

 もっとも大切なことは、愛情をかけることだと。これは、すべての活動の基本だと思うのですが、皆さんは、どうお感じになりますか。

Re: No title

>さら様

貴重なご意見ありがとうございます。
そうですね、確かに「クマの命よりも地域住民の福祉に税金を使え」という声は多いでしょうね。
そのような地元住民の声を踏まえ、秋田県は基金を設けて寄付を募ることにしたのだと思います。

国は今まで、地域の住民の為(実はゼネコンを潤すため)、膨大な税金を投じて全国にハコモノや道路を
造り続けて来ました。それらの負担がさらに地域経済を逼迫させています。

八幡平クマ牧場の場合は、本州に存在すべきではないヒグマを飼育し、観光客による餌やりのために、
十分な餌も与えず、傷つけあい、殺し合わせて頭数を減らし、しかも、数十頭はどこに消えたのか?
行方も分からないという状況でした。
秋田県は行政指導はしたものの、状況を改善させるには至らず、その結果が、あの悲惨な人身事故に
つながったわけで、県にも事故の責任が問われます。
これだけ悲惨な状態で放置されてきたクマたちを「かわいそうだが薬殺やむなし」という意見は、
言うは易しですが、実際に行うには、人道的に非常にひっかかりますね、私は。
今まで、地元の方々は、あのような牧場の批判もされなかったのでしょうか?

無論、自然に近い形のクマサンクチュアリは国の支援なしには実現不可能だと思います。
しかし、それでも、何も提案せず、「薬殺は仕方ない」という方向性は、きわめて日本人的な
ネガティヴな諦観であり、福島の家畜もペットも「仕方ない」と餓死させられ、殺処分されているのと、
だぶります。
それでは、この国の進歩は無いと思います。

クマのことだけを考えるのではなく、地域の雇用を創出し、海外からも人が訪れるような自然+文化
ゾーンの実現を望みます。中途半端な改修では経営悪化を招くだけです。




Re: No title

>じゅん様

星野リゾート青森のひとつは確か古牧温泉でしたか?経営が悪化した旅館の再生ですね。

竹富島や京都については詳報を知りませんでした。
かなり反対運動があったのですね。情報ありがとうございます。
どうもあそこはアマンリゾートを模してモダンに造りすぎる傾向が、確かにあります。
私もあの感じはあまり好きではありません・・

星野リゾート軽井沢でも、建物に関しては賛否両論、好きな人、嫌いな人にはっきり分かれます。
ですが、星野リゾート・ピッキオによるクマの保護管理は全国でもトップレベル。
国際クマシンポにも会場を提供しています。

ピッキオ
http://picchio.co.jp/sp/

↑ネイチャーツアーなどは参考になるかと思います。

星野リゾートは、例えば、の話で・・
少なくても、コンクリートのクマ牧場で「動物愛護フェスティバル」の発想は無いと思います。
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