「ドングリ蒔きの是非」~日本クマネットワークの見解~

2015年11月30日追記:

★以下の記事に関して、「ドングリまき」活動に関する
 日本クマネットワークの公式見解はとても読みやすい
 文章になっていると思います。
 (初出の際の私の頭が偏っていたのか、文章が修正
 されたのかは不明です)


クマへの「ドングリ蒔き」活動について、
「日本クマネットワーク」が見解をHPに掲載しました。
     ↓
ツキノワグマのために各地で集めたドングリを山奥に蒔く活動に関する見解 http://www.japanbear.sakura.ne.jp/cms/2012/12/post_46.html

日本クマネットワーク(以下、JBNと記す)が「ドングリ蒔き」の見解を発表するきっかけは、
NHKの道徳ドキュメントでした。

「道徳」という言葉にはいささか驚きましたが、小学校の児童向け教材としてNHKが制作し、
教師に向けた指導案も提示されています。

「人を守るため処分される命」というタイトルで、

クマの出没の問題と対策として、実際の捕獲映像などを見せ、
クマ団体のドングリまき活動を紹介。
「キミならどうする?」と結んでいます。
      ↓
http://www.nhk.or.jp/doutoku/documentary/index_2012_014.html

このドキュメントが、どんぐり蒔きの問題点に触れていないため、
JBNの会員からメーリングリストを通じて、
JBNとしての見解を提示すべきでは?との意見が寄せられたのです。

「ドングリ蒔き」によって、自然環境やクマに及ぼす可能性のある悪影響は以前から提議されており、
JBNの見解は理路整然としていて真っ当です。
(検証は必要だと思いますが・・)

あえて言うなら、ネットを見る多くの一般の人たちにとっては、内容が難解という印象です。
科学的な、生物学的な事象を、平明に、わかりやすく書いていただければ有難いし、
文章もつながっていて読みづらいので、段落を増やし、短文や箇条書きにしていただければ読みやすい。

今回のJBNの見解に関して、すでに某教授がメーリングリストに意見を寄せられ、
二番煎じの感は否めませんが、私も同様に感じましたので、以下に・・

ドングリの豊凶など、複数の要因はあるにせよ、もはや「異常出没」という言葉が使えないほど、
近年、これほど多くのクマが、エサを求めて町中にまで現れるようになった根源的な原因は、
人間が、かれらの本来の生息地を壊してしまったということ・・

やはり、その大前提があるから、市井の人々は、処分されるクマたちに同情し、何か少しでも
できないか?と思い、もっとも手っ取り早い手段が「ドングリ拾い」なのです。
直接に、情動的に、クマたちを助けている気がする・・それが、錯覚だとしても・・。

何が言いたいかというと、「ドングリ蒔き」は問題があるのでやめましょうとなると、
「じゃあ、私たちにできることはないんですか?」
という問いが返ってくるということです。

この市民の問いに対し、JBNは積極的に代替案を提示すべきではないでしょうか?

見解においても、柿もぎなどが紹介されており、JBNとしても、今までクマ被害防止のための
啓発活動をつづけていますが、
都市住民が、子供たちが、できることも多々あると思うのです。

たとえば、学校で、何がクマを人里にひきつけるのかを教わり、「ゴミを外に置かないで」など、
ポスターを描いて、クマの出没地域に送るとか・・

JBNの見解をネットで見た一般市民が、「やはり研究者は消極的だな、冷たいな」という印象をもつ
ことを一寸懸念しました。
クマ出没地の住民の気持ちに配慮しつつ、一般市民の気持ちを拾い集めていかないと
「世論形成」はできず、クマとの共生への道は拓けないと思うのです。


蛇足ですが、「ドングリ蒔き」なのですね、「ドングリ撒き」かと思っていました。

(m)
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何もしなくていいです。

ご無沙汰してます。
昨年秋から冬を挟んで、夏までヒグマが市街地に出てきて騒動になった街の住民から言わせて頂きます。
ちょっと厳しい話になりますが、御容赦の程を。

>直接に、情動的に、クマたちを助けている気がする・・それが、錯覚だとしても・・。

それじゃまずいし、困るんですけどね。単なる自己満足でしかありませんし、それが逆の結果になった時「クマたちを助けている気がする」では済まないでしょう。後先考えずに「情動的」に行動されると、周囲が迷惑するだけです。

>「じゃあ、私たちにできることはないんですか?」
>代替案を提示すべきではないでしょうか?
>都市住民が、子供たちが、できることも多々あると思うのです。

貴方達にできることはありません。
JBNの主旨からして、代替案を出す義務はありませんし、代替案なんて簡単に出るものではありません。
それに、100%安全圏に住んでる都市の人達が、クマの生息域の近くで暮らす人達の事も理解せずに出しゃばっても、当事者達が迷惑するだけです。

>「ゴミを外に置かないで」など、ポスターを描いて、クマの出没地域に送るとか・・

そんな事はすでにクマが出てくる地域ではやってる事です。
こういう発想が「現地の人達バカにしてる」と誤解されかねない事だと認識してほしいです。
「いてもたってもいられない」「何か行動したい」という気持ちも分からなくもないですけど、「そっとしておいてあげよう」という意味で何もしないという選択肢もあります。
敢えて、してほしい事を述べると
クマという生物を正しく学んで欲しい。
バカげた行動を起こしかけている人がいたら制止して欲しい。
この二点です。

>「やはり研究者は消極的だな、冷たいな」という印象を

科学という物は冷徹な視点を要する事もあるので、個人的にはそれが駄目だとは思ってません。そういう冷徹な一面は「そういうものだ」と割り切るしかないと思います。
それに、殆どクマに対して無知蒙昧で、幼稚な感情論を振りかざすしか能がないカルト的団体よりは、ずっと信頼できます。

最後に、クマと共生していくのは現地の人達であり、クマが出ない都会の人達ではない。
その事を御理解下さい。

Re: Re: 何もしなくていいです。

> オキキリムイ様
>
> ご意見ありがとうございます。
> >
> > 貴方達にできることはありません。
> > JBNの主旨からして、代替案を出す義務はありませんし、代替案なんて簡単に出るものではありません。
>
> 当方は貴方がどういう方がまったく存じ上げませんし、貴方も私を知りません。
> ネット上の発言であっても、「上から目線」の高飛車な、決めつけるような言い方は
> 礼儀を失していると思いますが。
 貴方達??誰のことですか?
>
> 記事を正確に読んでいただければ分かるはずですが、JBNに代替案を出す義務があるなどとは
> 一切書いておりませんし、思ってもありません。「代替案が必要では?」とは、
> JBNの会員である研究者が提案されたもので、私はそれに賛同したということです。
> 研究者であっても、立ち位置や考え方はブロードですから、意見交換や提案は貴重です。
> JBNは敢て市民も会員としており、総会などでも、市民ボランティアから、情報発信を望む声は
> あがっています。研究者ではない一般の人々に、専門的な内容を、よりわかりやすい文章で伝えていただければ、ありがたいと思う次第で、見解の内容に疑義を唱えたわけではありません。
>
> >「ゴミを外に置かないで」など、ポスターを描いて、クマの出没地域に送るとか・・
> >
> > そんな事はすでにクマが出てくる地域ではやってる事です。
>
> 事例を挙げていただけると助かります。参考になりますので。
> 私は「都市住民」に出来ることとして、例をあげました。貴方が仰るとおり、クマ出没地の状況を
> 理解せず、ただ情動的に批判する傾向もあるので、先ずは「理解」し、互いに協力しあえるような
> きっかけを見つけていければという思いです。
> しかし、ご心配なく。大多数の都市住民はクマに無関心です。
> 「何もしなくていい」は、進歩向上への拒絶であり、私の考え方とは合致しません。
>
> > クマという生物を正しく学んで欲しい。
> > バカげた行動を起こしかけている人がいたら制止して欲しい。
> > この二点です。
>
> ご自分で実践してください。
> 批判ばかりでは何も生まれませんよ。必要なのは、状況改善に向けての提案!
> クマをすべて駆除して欲しいのか?貴方自身の考え方を具体的に述べてください。
>
>
> > >「やはり研究者は消極的だな、冷たいな」という印象を・・
>
> > 科学という物は冷徹な視点を要する事もあるので、個人的にはそれが駄目だとは思ってません。そういう冷徹な一面は「そういうものだ」と割り切るしかないと思います。
>
> 貴方は「割り切る」のがお好きなようですが、動物愛護家も、またそれを批判する人々も、
> 情緒的にシロかクロか、決め付けるような論調になりがちです。それほど単純ではないでしょう。
>
> クマと共生していくのは現地の人達であり、クマが出ない都会の人達ではない。
> > その事を御理解下さい。
>
> 「都会の人間は口を出すな」・・「都会」だの「地方」だのという分立思考は狭隘だと思います。
> 異なる地域に住む人々が理解し、協調のきっかけを見出していくことが、野生動物との共生を
> 進めていくうえでの一歩だと思っております。
>
> ちなみに、当方、初夏から秋まで、クマの生息地に暮らしております。
> 家から車まで距離があるので、夜間などはびくびくです・・クマ鈴は必携。
> 庭でクマの親子にも遭遇し、足跡なども頻繁に見かけています。
>
> そうした経験を通して、「人とクマとの共生」を考えるようになりました。

貴方のご意見には、どんぐりまきを行っている団体へのアレルギー的な嫌悪感を感じますが、
だとすれば、批判の矛先を違えていると思いますよ。
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