「動物愛護」と「動物福祉」

昔から、「動物愛護」という言葉が好きではありません。

そこで、当ブログでは、固有名詞でない限り、極力この言葉を使わないようにしています。

「動物愛護」という言葉がかもし出す諸々・・感情的、黒か白かの単純思考、人間主体、社会的常識の欠如・・

「愛護団体」のイメージと重なってしまうのかもしれませんが、私は負の印象ばかり感じます。

まっとうな活動をされている方々も、負のイメージの影響を蒙っていると思います。

行政やマスコミは「動物愛護」という言葉を常用しますが、動物活動に関わる方の多くも使っており、

疑問や違和感を感じないのか不思議です。


「動物愛護」は日本だけで使われている言葉です。辞書で引いても、英語では protection、

「動物愛護協会」は the Society for the Prevention of Cruelty to Animals(SPCA)、つまり、

虐待防止協会です。中国語の辞書でも、「動物保護」となっていて、

日本の「動物愛護管理法」の英訳は、Animal Welfare Law 。


では、「動物愛護」の代わりにどんな言葉が・・?

「動物保護」あるいは「動物福祉」。

「保護」より「福祉」の方が包括する範囲が広いように感じます。実際、動物愛護管理法改正に携わった

委員など、国政レベルで動物行政に関わっている方々は「動物福祉」という言葉を用い、動愛法でも

「動物愛護」の代わりに用いるべき、との意見も複数ありました。


「動物愛護」と「動物福祉」、具体的にどう違うのか?


「日本では従来、動物愛護の問題は法律ではなく常識やモラルに委ねられるという感覚があるように感じます。

また‘愛護‘という用語が主観的・内面的なものとして感傷的に響いたり、一部の過激な活動を連想させる

場合もあって、少し距離をとっておきたい、そう感じている人も少なくないのではないでしょうか」

と語るのは、青木人志・一橋大学院法学研究科教授。(Sippo Journal 2012/11/6)


2012年7月に開かれた「希望の牧場」公開討論会では、東北大学・佐藤衆介先生からのメッセージとして、

岩手大学の岡田先生が以下のように定義されました。

  ★「動物愛護」→「かわいい」「かわいそう」→ 人間の満足度

  ★「動物福祉」 → 動物のQOLの向上→ 動物の満足度
  
分かりやすい定義ではないでしょうか。


「動物福祉」を考える上で、規準となるのが、国際的に認められている「五つの自由」です。

  1. 飢えおよび渇きからの自由(給餌・給水の確保)

  2・ 不快からの自由(適切な飼育環境の供給)

 3・ 苦痛、損傷、疾病からの自由(予防・診断・治療の適用)

 4.正常な行動発現の自由(適切な空間、刺激、仲間の存在)

  5.恐怖および苦悩からの自由(適切な取扱い)

家庭動物のみならず、畜産動物、実験動物にも適用される基準です。

「五つの自由」を今回の改正動愛法に盛り込むべきとの意見もありましたが、実現は叶いませんでした。


私たちは日々、言葉の海の中で暮らしていますが、普段なにげなく使っている言葉を今一度考えてみることも

必要ではないでしょうか。

(m)

参考:
   ・獣医大学に「動物福祉」教育がないという現状
   http://www.ava-net.net/appeal/121-2.html
  
   ・日本における動物愛護活動
 http://doubutsuforum.blog.fc2.com/blog-entry-99.html

(m)
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