三重県 クマ騒動 クマの広域保護管理を

三重県で錯誤捕獲されて、滋賀県で放獣され、人を襲ったとの

濡れ衣を着せられて殺処分対象になったクマが実は4年前に

滋賀県で捕まって放獣されていたことが分かりました。
        ↓

三重のクマ:4年前滋賀で捕獲 DNAを分析 
専門家「一帯、既に生息域」


毎日新聞 2015年07月14日 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20150714ddm041040233000c.html


三重県のクマ騒動に関して、
極めて優れた検証記事を以下に転載。

*下線は当ブログ


記者の目:三重県 ツキノワグマ放獣騒動
=永野航太(津支局)

毎日新聞 2015年07月08日 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20150708ddm005070025000c.html

 ◇保護と共生、近隣共通で

三重県が同県いなべ市で捕獲し、
滋賀県多賀町内に無断で放獣した1頭のツキノワグマの動向は、
岐阜県も巻き込む問題に発展した。
5月17日に放たれたクマは一時、
同27日に同町内で女性を襲った疑いが持たれ、
三重県などは殺処分する方針で捕獲に乗り出した。
その後のDNA鑑定で「冤罪(えんざい)」が判明するなど
状況は二転三転し、捕殺方針は取り下げられている。
この一帯でのクマの生息地域は変化しており、
同様の問題は再び起こり得る。
一連の騒動を検証し、生息実態に即して
保護のあり方を見直す必要がある。


6月中旬、第一発見者の男性猟師(67)の案内で、
クマが捕まったいなべ市の水田脇に設置された
イノシシ用のおりを見に行った。
おりにかかったのは雄のツキノワグマの成獣
(体長約1・4メートル、体重100キロ)。
かみついて暴れたため、所々で鉄製の格子が折れ曲がっていた。
男性は「大きさに驚いた。地元の猟師連中もクマは見たことがない。
暴れて手のつけようがなかった」と振り返る。

 ◇住民の不安先行、強硬策に流れる

三重県は条例でツキノワグマを希少動物として保護しており、
誤捕獲された場合は放獣が原則。
実は問題発覚当初から、
放獣したクマと女性の被害の関連に否定的な意見があり、
三重県も「同一個体の可能性は低い」とみていた。
にもかかわらず早々に殺処分の方針が出されたのは、
想定外の事態に地元住民の不安が先行し、
行政が強硬な対応を余儀なくされたのだと思う。


あるいなべ市議は、問題発覚後の地元の状況を
「まるで怪物が現われたようだった」と話す。
これまで、同市でクマ捕獲の報告はなかった。
地元では女性が農作業に出られなくなったり、
親が子どもの登下校に付き添ったりする事態となった。
発信器でこのクマの行き来が確認されている岐阜県海津市や
養老町でも捕獲例はほとんどなく状況は同じで、
公園が閉鎖され、イベントも中止となった。

三重県の条例も、環境省のレッドリストで
「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定された
県南部の「紀伊半島地域個体群」の保護を目指す制度だ。
今回出現したクマは滋賀や岐阜県、北陸に分布する
「白山・奥美濃地域個体群」で、
三重県などにとり想定外の出来事だった。

 ◇広がる生息域、情報共有大事

一方で、生息環境変化の予兆は表れていた。
三重県山岳連盟によると、7年ほど前から県北部の山で登山者による
クマの目撃が年数件報告され始め、中には子グマもいたという。
騒動のさなかの6月19日には津市でもツキノワグマが
イノシシ用おりに誤捕獲され、
県も「鈴鹿、養老山系など県北部で生息を確認した」としている。

県や周辺自治体は捕殺方針を取り下げるまで、
地元猟友会と共に猟銃を使った捕獲活動を行っていた。
もしクマが捕殺され、後に冤罪が判明したならば……。
一時の不安解消にはなっても、無実のクマの命を奪った負い目を、
行政も住民も背負い続けなくてはならなかったはずだ。
県獣害対策課の担当者は「種の多様性を維持し、
自然との共生を目指すのが県条例の趣旨。
捕殺決定に至ったことは不本意だった」と苦悩を語った。


今回、白山・奥美濃個体群とみられるクマは
三重県内にも生息していることが分かった。
紀伊半島個体群とともに2個体群が生息する形だ。
岩手県などでは、個体群ごとに個体数の管理などを行っている。
また、岐阜県ではツキノワグマの希少種指定がなく、
捕獲されれば殺処分される場合が多い。
「県境がクマの生死の分かれ目」という状況が生じており、
複数県での共通の保護制度を整える必要がある。


問題を受け、三重県はクマの保護マニュアルを改め、
放獣地点の選定基準や他県への情報提供ルートなどを定めた。
今後は滋賀、岐阜県と連携してさらに見直す。
広島、島根、山口3県は国内で唯一、
共通の保護管理計画を運用しており、
三重県の担当者は「参考にしたい」と話した。

6月27日、三重県北部の菰野町で
ツキノワグマの生態を学ぶ学習会が開かれ、
出くわしたら「目を合わさず後ずさりする」
などの対応を住民が学んだ。
こうした機会を増やすことは、
出現時の過剰な不安を抑えることにつながる。

三重県は来年の主要国首脳会議(サミット)の開催地に選ばれており
選定理由の一つに「自然との共生の歴史」が挙げられている。
今回の問題を機に、改めてその真価が問われている。


(転載おわり)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このクマをゴジラのように仕立てあげたのは

いかにも人を襲ったかのように一斉に報道したマスコミです。

県単位ではなく、生息域に即したクマの保護管理が必要。

(m)
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Re: No title

ご連絡ありがとうございます。
先日、私の方へも、三重県の鳥獣被害対策課から件のクマの
モニタリング終了のメールをいただきました。
ようやく人心が落ち着いたようで、クマにはこのまま山中で
静かに暮らして欲しいと願っています。

捕獲オリは撤去されたのでしょうか?

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Re: No title

そうですね、私の方へも複数の返信が届きました。

ご紹介いただいてアップした記事が今回の騒動を
よくまとめていると思います。

檻も撤去されたようですね。良かったです。

しかし、全国では多くの無実のクマが冤罪で捕殺されているという事実・・
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