2016年6月18日 英国ロイヤルバレエ団の来日公演
ナターリア・オシポワの「ロミオとジュリエット」を観ました。
なんと10年以上、バレエを観ていなかった!?
その間に、ロイヤルバレエ団のプリンシパルも様変わり・・
公演のパンフを見ていて、惹きつけられたのが、
ナターリヤ・オシポワというボリショイ出身のバレリーナ。
調べてみると、ロンドンでのオシポワ人気はすごいらしい・・
久しぶりの東京文化会館・・・開演して真っ先に気づいたのは、
視力の低下でした。ダンサーが、かすんで見えるのにびっくり!?
すると、オシポワが登場!元気でエネルギッシュなジュリエット!
目を見張りました。
(パンフの黒髪の方が良かったですが・・)
オシポワのジュリエットは、「一直線の疾走愛」。
繊細で超速のポアント、高くて速いピルエット、綺麗な足の甲、
しなるような身体のバネ、あふれるエネルギー、キレのある動き・・
正確な技術を持った、パワフルなダンサーです。
とにかく動きが速いので、オペラグラスでは捉えられません。
ロミオ役のマシュー・ゴールディングは長身、がっしり型で、
おおらかな雰囲気。
受け身の演技でしたが、オシポワがガンガンいくので、
二人ともガンガンでは煩くなるので丁度良かったと思います。
あれくらいの体格でないと、オシポワの相手は難しい印象・・。
技術も安定していましたが、リフトの時など、
二人のタイミングがちょっと合わない感じはしました。
舞踏会での出会いの場面、二人が舞台の両袖に立って
じっと見つめ合うシーンは胸に残りました。
プロコフィエフの音楽も素晴らしく、とくに「不吉」の前兆を表すような
あの有名な旋律(金管がちょっと・・)など、ダンサーに存在感が
無ければ、音楽に負けそうになりますが、プリンシパルの二人を
はじめ、平野亮一さんのティボルトやマルセリーノ・サンベの
マキューシオ等、脇役陣もしっかりとした演技と踊りで見ごたえが
ありました。
オシポワのダンスに見とれている内に、あっという間に終幕。
だけど、昔見た、フェリのジュリエットとは何かが違う・・
とくにラスト・・と、思いつつ、帰宅して昔のプログラムを探したら、
両方ともマクミラン版でした。
(フェリはマクミランのミューズでしたものね・・)
フェリのジュリエットは、しっとりと、情感豊かに悲恋を醸しだして
いたような・・。
技術だけ見れば、オシポワが上です。でも、味わいというか、
深みというか、記憶に強く残るという面では、
フェリのジュリエットは今でも脳裏に感動的に刻まれています。
その点、オシポワはちょっとあっけないかな・・
アラサーのオシポワ。今後のさらなる進化が楽しみです。
僭越ながら、あのテクと身体能力に、「タメの表現」
(押すだけではなく)が備わってくると、間違いなく、
超一流のバレリーナになるような気がします。
でも、すでに「ジゼル」の2幕のウイリー(亡霊)の踊りも
高評価なので、ジュリエットは、あえてあの路線でいったのかも・・
「ジゼル」と「ロミジュリ」、どちらにしようか迷ったのですが、
ロイヤルのコールドは・・とか思い、「ジゼル」は色々なダンサーで
100回は見ているので、お財布事情もあり、「ロミジュリ」に
しました。
「ロミジュリ」は、これもまた昔、チェロの巨匠・ロストロポーヴィチが
指揮をしたオーケストラルバレエ?というのを観ました。
この時は、文化会館の舞台の上にオケが陣取り、その前後で
バレエが展開されました。リトアニア国立バレエ団の若手二人の
ロミオとジュリエット。とても素敵でした・・
最後、少し離れて亡くなってしまった二人の手と手を、
ロストロポーヴィチが指揮台から下りてきて、つなげます。涙・・。
余談ですが、5時半の開場の頃、出口付近で、サラ・ラムさんが
ファンとの写真撮影に応じていました。サイン会もあったそうですね。
マチネの主役を終えて、ホッとしたような、柔和な、優しい表情でした。
来シーズンのプリンシパル昇格が決まったフランチェスカ・
ヘイワードのジュリエットも見てみたかったです。
(m)
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- 2016/06/23(木) 22:19:21|
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