動物愛護管理法の無力

先日、多摩川河川敷(東京都調布市)で
多頭飼育されている犬たちのことがTV報道されていた。
飼育というよりは、放置に近い状態だ。

飼い主の高齢男性は国有地の河川敷に
無断でプレハブ小屋を建て、犬たちをそこに押し込め、
自分は道端の軽トラックに寝泊まりしている。
犬たちには一日一回、ドライフードを与え、
こぼすからと、水は与えていない。
これだけでも、立派なネグレクト。
どの犬も見るからに悲惨な外見で、皮膚病や内臓疾患を
患っている。男が金棒で犬たちを脅す映像も流れた。
犬たちは時おり脱走し、近所の住民複数が噛まれている。

調布市は何度か飼い主を指導したとのことだが、
状況は改善されていない。
東京都は都議から抗議を受けながら、ああだこうだと理由
を述べて、一向に動こうとしない。


多摩川河川敷の犬について抗議文
http://shiomura-ayaka.com/2016/12/02/news-1740.html


住民にとっても危険だが、犬たちの様子を見ても、
動物虐待であることは明白である。


さまざまな形の動物虐待は日々、全国各地で起きている。

私の近所でも起きている。
トイプードルが電気も水も無い部屋に
3年ちかく閉じ込められている。
所有者と称する高齢男性が二日に一回、
エサと水をやりに来るだけだ。
人と暮らせず、日光を浴びることもできず、真っ暗闇になる
寒い部屋に、たった一匹で置かれている。
犬を救出しようと、ずっとボランティアが動いている。
保健所、警察に連絡した。
保健所は訪問してくれたが、対応が難しいと言われ、
警察からは民事不介入と言われた。
弁護士にも相談し、
もちろん、東京都動物愛護相談センターにも相談したが、
受け流された。

保護できたら飼うと申し出ている人もいるが、高齢男性は頑なに
犬の所有権を手放そうとしない。

上記のような例は、明らかに動物虐待であり、動物愛護管理法違反
であるが、法律に実効性が伴わず、
所有権という壁を打ち砕くことができない。


動物愛護管理法第1条

「この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱い
その他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する
事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、
生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、
動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、
身体及び財産に対する侵害並びに
生活環境の保全上の支障を防止し、
もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする」


「生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに」?

何を大上段に構えて、絵空事のようなことを記しているのか、
と言いたい。
明らかに虐待に遭っている犬一匹、救済できないのだ。

環境省は年内にも、ケージの大きさなど、
具体的な数値で規制する「飼養施設規制」の導入を目指し、
検討会を立ち上げる予定だが、実は、これも当初の予定より
かなり遅れている。
(遅れた理由として、環境省は、熊本地震の被災ペット対応
のためと述べているが・・?)

数値を決めるのは結構だが、そんな事をしなくても、
所有者への聞き取り調査(給餌の状況、疾病への対応、環境衛生etc)や、
愛護センターの獣医師による診断があれば十分ではないか。
(アニマルポリスのある国を参考にすればよい)

そもそも、動物愛護管理法という名称からして疑問である。
「愛護」という曖昧で、情緒的、かつ主観的な言葉で括るから、
具体的な対応ができない。
「愛護」は日本にだけ存在する言葉。
(ちなみに、英語の呼称は Animal Welfare Law)
少なくとも、以前のように、「動物保護管理法」の方が
より具体的であり、さらに、欧米のような、
「動物虐待防止法」という呼称が的確であると思う。

先ずは苦しんでいる命を救うというテーゼが明確に無いと
法律としての機能も、行政の適切な措置も望めないだろう。

人間は誠に勝手な生きものである。
自分が望む時だけ、命ある動物を「家族」とみなし、
不必要になると、たちまち「物」に変わる。
動物の法律も、人間の為に存在している。


(m)


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No title

殺処分0に賛同している都知事に
こういうこともどうにかしていただきたいものです。

愛護法など、あってないようなもの。

No title

夜空さま

そうですね、東京都の職員からきちんと知事に伝われば、動いて
くれるのではないでしょうか。

動物愛護管理法や殺処分の問題については継続的に書いていき
たいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

いつも情報ありがとうございます!
アレッポの子供たち、猫たち、犬、生き抜いて欲しいです。

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Re: No title

鍵コメさま

ご連絡ありがとうございます。

当ブログのリンク・記事転載はフリーです。
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