ご存じですか?
昨今、SNSなどで、ときどき見かける
「地域猫原理主義」という言葉の意味。
「地域猫活動の原点回帰」
というふうにも表現されます。
これは言い換えると、いま一度、
「地域猫」の本来の定義を明確に、ということです。
本来の「地域猫」活動は、三者協働を意味します。
三者とは、行政、住民、ボランティアです。
三者が協力し、地域住民の理解を得て、
人と共生する猫を「地域猫」と称します。
では、皆さんのお住まいの地域で、この本来の
「地域猫」はどれくらいいるでしょうか?
地域猫原理主義を貫いている自治体や住民、
ボランティアはどれくらいいるでしょうか?
1990年代後半、横浜で行政獣医であった黒沢泰氏により
生み出された「地域猫」という言葉。
誕生から20年を経て、環境省が推奨したり、
猫対策として掲げる自治体も増えてはいますが、
実際には、どれほど広がっているでしょうか?
またそれは、殺処分削減に、どれほど貢献しているでしょうか。
地域猫原理主義という言葉が唱えられる背景には、
「地域猫」という言葉だけが近年、一人歩きをして、
TNR活動=地域猫活動と誤解されていたり、
極端な場合は、地域にいる猫=地域猫と捉えられたりもします。
その一例が本日(2017年12月21日)の朝日新聞に掲載された、
「人間との信頼築き 地域猫に」という記事。
筆者は犬猫問題に精通しているO記者ですが、
「TNR活動が地域猫活動として広く行われている」
という誤った記述があります。
実際、活動年数の長い活動家でも誤解している方は
大勢いらっしゃいます。
地域猫原理主義者しか、本来の意味を把握していない、
と言っても過言ではないくらいです。
残念ながら、「地域猫」という言葉は
「殺処分ゼロ」という言葉と同様、
今後も誤解され、
一人歩きを続けることになるでしょう。
それはなぜかと言うと、まず、その響きの良さ。
そもそもが誤解を招きやすい言葉であること。
加えて、机上の理論では理想的な解決法に思えること。
第2の理由は、実際に地域猫原理主義を実践、継続する
行政やボランティアの数の少なさです。
東京を見渡しても、厳密な「地域猫活動」を
実践している地域は、かなり限定されているように
見受けられます。
数回に分け、「地域猫活動」について
経験と見聞にもとづき、
連続記事を書きます。
関心のある方はぜひご一読ください。
(m)
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テーマ:動物保護 - ジャンル:福祉・ボランティア
- 2017/12/21(木) 23:20:23|
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