地域猫活動はそもそも猫に関する苦情対策
として行政サイドから発案されたものです。
地域のコミュニケーション活性化などの副産物
はありますが、殺処分の削減を狙ったものでは
ありません。
しかし結果的に、「飼い主のいない猫対策」が
活発な自治体における猫の引取り数は、
活動年数を経るにつれ、減る傾向にあると言えます。
※引き取り数の削減が「地域猫活動」によるものか、
保護譲渡に積極的に取り組んだ結果によるものかは
定かではありません。
自治体の熱心度、TNR, 地域猫活動、保護譲渡活動のすべて
が有機的に作用した結果、というのが筆者の見解です。10年にもおよぶ長い活動年月を経た成功例もあります。
また、千代田区や国立市など、
引き取り数ゼロを維持している自治体もあります。
※千代田区は傷病猫も含めて、東京都より連絡を受け、
区のボランティア団体が引き取ることによりゼロを継続しています。
但し、小金井市のように対策が発展途上で、野良猫の数が多くても
引き取り数は少ない自治体もあるので、引き取り数が減ったというだけで
頭数を判断することはできません。
以下は、台東区の対策10年間の推移を表したグラフです。
※拡大してご覧ください。

台東区の場合、手術数、ボランティア数の増加に比例し、
とくにこの数年は、引取り数ゼロをほぼ達成しています。
「飼い主のいない猫対策」が進んでいる自治体の典型例
と言えましょう。
飼い主のいない猫が減っているかどうかを判断する
もう一つの指標は、路上の猫の死体数です。
台東区は、この数も減少しています。
※この場合、区道だけの死体数を数えます。
しかし将来的にも同じ状態を継続できるかどうかは、
10年後、つまり、将来の活動への注力にかかってきます。
10年かけて猫の数が減って良かったね、と安堵して
手を抜けば、その後の10年で元の状態に戻る可能性も
否定できないからです。
さらに、飼い主のいない猫については、
殺処分数や路上死数では測れない面もあります。
それは、人知れず町中で命を落としている猫、
とくに子猫の多さです。
出口対策と同時に、いえ、それ以上に飼い猫、
飼い主のいない猫の不妊去勢をさらに進めていくことが
肝要ではないでしょうか。
(m)
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テーマ:動物保護 - ジャンル:福祉・ボランティア
- 2018/01/01(月) 22:28:20|
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